Speak Out on World AIDS Day

国立国際医療研究センター
エイズ治療・研究開発センター長
岡 慎一

ポストコロナを待っててください

特定非営利活動法人JoinLIFE機構によるHIV/エイズキャリア支援ベネフィット HOPE AND LIVE は、2013年から2019年までの7年間、毎年行ってきました。特に2018年は、韓国からのHIV/エイズの専門家も招いての京都開催と、年々充実してきておりました。しかし、今年は、コロナの影響で3密を避けるため、非常に残念ながらこの大事なイベントを中止せざるをえませんでした。本当にごめんなさい。

このイベントは、HIV/エイズの治療及び研究を行う専門家が、直接一般の方、特に若者と話すことができるという非常に重要な機会でした。病院や研究室にこもり、英語の論文を書いても、それだけでは一般の方に最新情報をお伝えすることはできません。コロナ下の現在、ワイドショーには似非専門家があふれ、不安をあおるような事ばかり話しているのが目に余ります。正確な情報を専門家が直接お話しできる機会、これこそがコロナばかりでなくエイズの世界においても、一般の方の不安や差別偏見を無くしていくための近道であり、最も重要な事だと思います。

HIV/エイズの治療や研究は、日々進歩しております。エイズ発病前にHIVの診断がなされた人は、適切な治療を受けることができ、エイズを発病することはありません。もちろん、今までと同じ生活を維持し、普通の人とほぼ同じ寿命を全うすることができます。治療によりウイルスがコントロールさえできていれば、コンドーム無しの性行為*を行ったとしてもパートナーにHIVをうつす危険はゼロになっています。感染リスクのある人が事前に予防薬を飲めば、性行為の相手からのHIV感染を防げることもわかっています。新規感染をゼロにすることが可能な時代になってきているのです。
(*ただし、性行為でうつるのはHIVだけではありません。コンドームによるより安全な性行為を心がけましょう)

コロナ騒ぎは必ず収まります。その時、もう一度HIV/エイズの最新情報を皆さんにお届けします。ポストコロナを待っててください。

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